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誰も知らない特攻 島尾敏雄の「震洋」体験 [本]

誰も知らない特攻 島尾敏雄の「震洋」体験

誰も知らない特攻 島尾敏雄の「震洋」体験

  • 作者: 馬場 明子
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2019/09/25
  • メディア: 単行本
図書館の新刊コーナーにあって、偶然手にした。
「特攻隊員として死ぬのは容易だが、これからを生きていくのはそれ以上に難しい。」
「幸いに生き延びたたった一つの生命を大事に郷里へ帰れ。国の再建に努めてほしい。」
(第136震洋隊)
敗戦を伝えられた後、指揮官から受けた訓話。
太平洋戦争史上、初めての特攻部隊として誕生した「震洋隊」は、
2万7千名余りの隊員のうち、24500名近くが生き残った。
特攻艇の性能が悪く、故障や事故などで殆ど出撃できないうちに敗戦となったから。
「幻の特攻艇震洋の足跡」というテレビドキュメンタリーがあったことを知らなかったし、
「死の棘」は知っているが島尾敏雄という人が作者で特攻隊員であったことを知らなかった。
始めの訓話。昨日まで死ぬことを求められていたのに、帰って良いと言われて隊員達の
戸惑いは相当なものだったと推測できると同時に、この言葉を発した指揮官の真っ当さに
救われる思いがした。
「異常は日常と繋がっている」は島尾敏雄のことば。
今の日本と重なる感じがして恐ろしい。

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