誰も知らない特攻 島尾敏雄の「震洋」体験 [本]
図書館の新刊コーナーにあって、偶然手にした。
「特攻隊員として死ぬのは容易だが、これからを生きていくのはそれ以上に難しい。」
「幸いに生き延びたたった一つの生命を大事に郷里へ帰れ。国の再建に努めてほしい。」
(第136震洋隊)
敗戦を伝えられた後、指揮官から受けた訓話。
太平洋戦争史上、初めての特攻部隊として誕生した「震洋隊」は、
2万7千名余りの隊員のうち、24500名近くが生き残った。
特攻艇の性能が悪く、故障や事故などで殆ど出撃できないうちに敗戦となったから。
「幻の特攻艇震洋の足跡」というテレビドキュメンタリーがあったことを知らなかったし、
「死の棘」は知っているが島尾敏雄という人が作者で特攻隊員であったことを知らなかった。
始めの訓話。昨日まで死ぬことを求められていたのに、帰って良いと言われて隊員達の
戸惑いは相当なものだったと推測できると同時に、この言葉を発した指揮官の真っ当さに
救われる思いがした。
「異常は日常と繋がっている」は島尾敏雄のことば。
今の日本と重なる感じがして恐ろしい。
哲学ねこソフィーと学ぶ「働き方」幸福論 [本]
哲学に興味を持ったのはこの本からではないのだが、
易しく書かれたものはつい手に取ってしまう。
ひとつひとつの考えはもっとだと思うことばかりだが、
普段はそんなことを考えもせずに過ごしていて、
ちょっと疲れた時に「哲学」本を読むと心整理するのに役立つ、
と思う。
タグ:哲学
校閲記者の日本語真剣勝負 [本]
読み方は感覚的に覚えたものをとりあえず使っている感じがする。
それでも、たいてい、意思の疎通はできており、正しいはずの言葉に
違和感があるものさえある。
曖昧な私の日本語を助けてくれる面白い本。
タグ:校閲
死刑囚200人 最後の言葉 [本]
死刑の是非はともかく、被害者の気持ちに寄り添えば、死の苦しみ以上の
償いはないようにも思うし、けれど何をもって償うのが正解なのかも
分からない。まずは知ることが大切。考えさせられる1冊。
タグ:死刑囚
はじめての万葉集 [本]
改めて読んでみるとおおらかで楽しい。
小中学生向けの読みやすい本、古文を勉強しなおしてみようかな。
タグ:万葉集
自信のない部屋へようこそ [本]
連載されていたWebサイトを見ていたので、ちょっと
期待して読んだのだが、等身大のような、でも少し経済的余裕が
ある方なんだなと思った。
連載をまとめたためかどうかは分からないが、読んでいるうちに
散漫な印象が強くなり、取り留めなくつらつらと書き綴った印象。
タグ:雨宮まみ
科学読本 茶わんの湯 [本]
本屋の新井 [本]
食わず嫌いは良くない。
三省堂に行くたびに、いつからか「新井賞」なるPOPが出ていることに気づいた。
「芥川賞」でも「直木賞」でもない。何?と思った。
書店員が勧める本が嫌なわけではないのに、手に取る気にはならなかった。
でも気になっていたので、とりあえずご本人の本を読んでみた。
面白かった。
本を沢山読んでいると文章が上手い(気がする)という私の勝手な思い込みは
おおむね正しいと思う。読みやすくてひねりの利いた文章。
「新井賞」は新井さんが大好きな本を大好きと叫んでいるPOPと理解した。
ぐっときた文がひとつ。
「1年に1冊でもいい。違う言語、違う文化で生きる人が書いた小説を読んで、
自分の心が動かされる体験は、世界をちょっとだけ平和に近づける。」
余談だが、私は本を積み木のように積み立ててあるのが嫌い。
途中から抜いてやろうかと思ったりする。
池袋のリブロが三省堂に変わったとき、オープニングイベント?で
本が積みあがっていて、「どうだ!」みたいな店のどや顔を見ている
みたいで不愉快だった。(あくまで個人の感想です)
そんな三省堂に毎週末行っちゃうんだけどね。
タグ:新井見枝香
九十歳。何がめでたい [本]
読んでほっとした。
今はちょっとつぶやくだけで上げ足をとられ、炎上し、社会から
抹殺されかねない。まあ、以前はシロウトの心のつぶやきなんて
誰にも言ったりしなかったし、せいぜい、家族か親しい友達の間で
多少不謹慎な会話があったくらいかな。
ツイッターもインスタも、SNSはそこそこ面白いけれど、
加減がわからなくなってきた。
私は専ら読むほう専門。
タグ:佐藤愛子
ボクらの仏教ー毎日がラクになるヒントー [本]
ある経験から、お坊さんのお話の方が納得するなと思い、
宗教の教えの違いが気になっていた。
大真面目に勉強する気力はないので、易しく読めるものを探していたら、
なんとヨシタケシンスケさんが挿絵のこの本を見つけた。
子供のころ、夏休みは田舎の祖母に2週間ほど預けられ、
始めのうちは人見知りを発動しているのだが、そのうち
いとこや周辺の子と遊ぶようになる。お寺の子と仲良くなり、
遊んでからお寺で昼寝させてもらったりした。
お坊さんの話は無理がなく、おおらかなイメージがある。
そこにホッとするのは、自分が日本人だからかもしれないけれど、
ストレスを溜めて疲れた体に優しい気がするのだ。